土方歳三（薄桜鬼）

　最後は土方歳三。新撰組といえばこの人。この人といえば新撰組という要中の要。だがゲーム制作会社の強力プッシュにもかかわらず（というよりメインの攻略対象キャラだし）人気が他に比べていまひとつ、とちらっと聞きます。私が最初に見たのはシルフコミックの「薄桜鬼　巡恋華　壱」でした。作画RURU氏で洋装姿がまさに萌え蔵。「え、これ一番人気じゃないって意味がわからない」と思いましたが・・・、今ならわかる気がする。なんて言うんでしょうか

そう始終どやされたくはないかな

とか「ヒロインいなくてもよくね？」とか「がんばってね、と背中を見送るにとどめたい」などと色々思ってしまう。ヒロイン目線で見るハッピーエンドはそりゃあいいでしょうが、近藤勇と山崎烝君目線でみると

釈然としない

ただ、三木眞一郎の演技（と言うのだろうか）は必見。声も素敵でした。

　よって史実の土方歳三。幕末の混乱期に新撰組という組織を作り上げ、それを維持、拡大することに情熱を燃やし、そのために邪魔だと判断したもの、たとえそれが世間一般的に大事だと言われているものだとしても、それらを片っ端から粛清し、立ち上げから約5年後、函館の五稜郭で自らも戦死します。混乱のため埋葬地不明。死因も馬上で狙撃されたというのが通説みたいですが、他殺説もあるようで、あまりはっきりしてないらしい。味方の兵士をかばおうとして落命、という説もあるようです。それは「いくら鬼副長といえども、人として最も大事な義理人情はあるはず」といった、後世の希望みたいなものの集結かもしれません。実際どうだったんだろうか。もしそれが本当だったら、最期に浮かんだのは殺してきた仲間への自責の念だろうか。と、珍しく真面目にそう思いました。でも、無名で終わるはずだった地方出身の剣客集団が、こんな100年以上たった今でも名を残し、彼らの「願い」は一応叶っている。願いというのはよほど突飛でない限り（アメリカの大統領になりたい、とかキリンになりたい等）努力すれば叶う。よしもとばななが昔なんかの本でそう言っていました。その後に起こる問題や作用反作用は、また別の話。

　以上、薄桜鬼で勝手にゆるくパラパラ漫画風にしてみました。

　線画はアナログ。コミスタ4.0の自由変形で全体的な調整を１～2度繰り返したら線がガタガタになりました。以後気をつけます。背景や中の着物などのトーンは頂き物です。ありがとうございます。